入院中に10日間の便秘で歩けないほど苦しくなった
39歳になる男性で自営業をしています。若い頃に胆嚢(たんのう)を痛めたことがあり、大事には至りませんでしたが、完全に障害がなくなったわけでもないため、脂っこいものは現在も控えています。
胆嚢とは肝臓で作る胆汁を貯めておく袋です。ここに障害が出ますと、大便はやや軟便化し、普段下痢をしやすくなります。
事実、ちょっと脂っこい物を食べ過ぎると比較的簡単に下痢をするので。そのせいで私は下痢に悩まされ続けており、逆に便秘はほとんど経験がありません。
ところが、下痢は日常的ではないまでも、かなりするので慣れていますが、便秘はしないだけに、ちょっとの便秘がものすごい苦痛となりました。そして、私が今までの人生で最も苦しかった体験は便秘のお話です。
そのときは便秘以前に、別の病気で苦しんでいました。私は風邪薬を飲むのも嫌いなたちなので、滅多なことで病院にいくことはしません。
ところがそのときばかりは自分ではどうすることも出来ずに近所の医院に診てもらうと、そこでは治せないからと言われ即刻大学病院に送られました。
しばらくして20時間近い手術を受けたものの、術後の経過が思わしくありません。他の患者さんは術後2日か3日で後にする集中治療室(ICU)に、10日間も留め置かれました。
10日間ひたすらご飯を食べる治療
そして、再手術をするからと医師から告げられました。それでその10日間身動きの出来ないICUの中で私が何をさせられたかというと、ひたすら食べることです。
一回の手術を受けるだけでも、体力は消耗されますから、再手術となるとそれに備えてまず栄養を貯える必要があるわけです。
そのため、手術翌朝のは看護師さんの付き添いのもと、正確には監視のもとで私はとにかく朝食を腹いっぱい食べるように指示されました。
日本最高峰の大学病院で受けた期待の手術が失敗に終わって食欲も無いとき、朝から再手術に備えてうなぎの蒲焼を食えというのです。
残さず食い終わるまで看護師はベッドの脇から離れません。おそらく医師から見張るように言われたのだと思います。食べたくも無いうなぎを口に運ぶことは地獄の苦しみでした。
朝昼晩三食、そんなことが10日間続いたのです。しかも、始まったときはこの大食い生活を何日続けるかも分からない状態でしたから、本当に苦痛。
ところが9日目に急転直下思わしくなかった術後の経過がよくなり、再手術の必要はもう無いと言われたのです。すると他の患者が待っているから、明日にはICUから出てくださいと言われる始末。病院というのは勝手なものですね。
しかも、ストレッチャーは使わず、歩いて自分の病室に戻れといわれました。
お腹が苦しくて全然動けない
9日間は気が気ではありませんでしたから、毎日動きもしないで食べ続けたことも忘れていました。そして何より、その間一度も便意は無かったのです。
こんなことは生まれて初めてです。ICUから病室まで30歩程度。そして、20歩くらい歩いたときのこと、腹にとてつもない重石のようなものを感じました。生まれて初めての経験です。
幸い私の病室の前はトイレでした。すぐそこに駆け込むと、まるで大蛇のような便がでたのです。
出ている時は肛門が壊れるのではないかという痛みと、苦しみでした。もう、あんな経験は2度とはしたくありません。